私が夢小説を知ったきっかけ、および十数年間の変遷

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夢小説(ドリーム小説ともいう)とは、好きなキャラクターと自分が恋愛できる、文字通り夢のような小説だ。

名前変換機能(自分の名前をキャラクターに呼んでもらうための必須機能)のおかげで更にリアリティが増し、しまいには夢と現実の区別がつかなくなって、ヤク切れを起こしたかのようにサイト巡りに明け暮れてしまう。いわずもがな私のことだ。

しかし、夢小説はあくまでも二次創作の一つであり、きっかけがない限り足を踏み入れることはないジャンルだ。そこで、今回は私が夢小説を知ったきっかけについて書いていきたい。

 ◇夢小説を知ったきっかけ

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GOシュートするホビーアニメのキャラクターが大好きだった。美形でクールな御曹司、明るかった彼を変えた暗い過去が小学校高学年だった私の母性をくすぐった。もっと彼のことを知りたくて、検索サイトで彼の名前を調べたときに、一発変換ができない名字だったので誤入力のまま検索したところ、とあるホームページが網にかかった。リンクをクリックすると突然、

○○(好きなキャラ)「お前の名前は?」 

と赤い部屋のスクリプトのような画面が出てきたので、当初は素直に本名を入力したと思う。入力後に出てきたのは、好きなキャラが私の名前を叫びながらヘリコプターで迎えに来る恋愛小説で、かなりの衝撃を受けた。パソコンの画面を直視できないくらい恥ずかしかったので、次からは「竜崎 麗香」と入力し事なきを得て、しばらくはお蝶夫人と好きなキャラとのゴージャスな恋愛を見守った。

もっとこういう系の小説が読みたくて、サーチやウェブリング(読みたいジャンルを扱うサイトが登録されている桃源郷のこと)を片っ端から漁った。彼に近づく女の子のキャラクターが凄くきらいだったので、スカッとするコピペ的展開の物や、逆に好きなキャラとその女の子が付き合っていて、自分は悲劇のヒロインで…みたいな小説を好んで読むようになり、性格形成に大きな影響が出た。

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この頃の名前変換機能は、都度入力を求められるスクリプトタイプが多かったように思う。このタイプのデメリットは入力が面倒くさいの一言に尽きる。例えば、名字と名前はそれぞれ入力しなければならない。名字と名前を一度に入れると大事なシーンもフルネームで呼ばれる羽目になるからだ。また、「自分の名字」「自分の名前」「友達の名字」「友達の名前」「友達から呼ばれるあだ名」「自分の名前の最初の一文字」「ペットの名前(そっちで勝手に決めてくれと思う)」など、嘘みたいな量の入力を求められることもザラだった。多ければ多いほど萎えるので、スクリプトタイプは次第に少数派となり、一度の入力で全部の夢小説に適用されるタイプの機能が主流となった。当たり前だ。

◇夢小説サイトを作る(中学生時代)

サーチ等に登録されたサイトを読み尽くした私は困っていた。需要が供給に追いついていなかった。ここで一つの名案が浮かぶ。

 「自分で作ればいいじゃん!」

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 自分の好きな小説が読みたければ自分で作ればいいだけの話だった。早速、当時運営していたサイバーキッズ共和国のホームページを夢小説サイトに塗り替えた。

中学生の時は別の作品にどはまりして、グッズやカード、キャラクターソングで私の世界は回っていた。ファンブックは英単語帳よりも読み込んだので、好きなキャラの誕生日と好みのタイプは今でも覚えている。作品は下の画像で察していただきたい。

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話を戻して、夢小説サイトを作るにはある程度のタグ知識がないと話にならないので、学校の成績を代償に頑張って勉強した。サイバーキッズ共和国は割とエグめな容量制限があったので、「1キロバイトの素材屋さん」などで節約に努めつつ、「水没少女」で十字架、血痕などの素材を借りて背景右下固定のタグを張り付けた。最終的に書いた夢小説はえげつない数となった。なんなら裏夢(エッチな小説)も書いていた。親も友達も見ていた。

 ◇PC向けサイトから携帯サイトへ(高校生時代)

 夢小説を書くことによって自己満足に浸ることはできたけれど、次第にランキングの順位やレイアウトばかり気にして、後半はほぼ惰性で続けていた。自分のために作ったサイトだったはずなのに。書いた文章も改行だらけだった。次第に熱も冷めて、夢小説も更新しなくなっていった。

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高校に進学してから携帯を買ってもらえたので、今度は「フォレストページ」(HP作成サイト)でサイトを開設した。当時は音ゲーにどはまりしていたので、音ゲーの夢小説をひたすら書いていた。細々と続けていたが、その界隈で大問題が起こったため、ほとんどのサイトが閉鎖したのがとても悲しかった。

そして大学に進学したのだが、思ったより忙しかったので全く更新しないまま学生生活を過ごし、社会人となって今に至る。

社会人になってまたサイトを作り始めたのは、たまたま読んだ夢小説(ヤンデレもの)が本当に素晴らしすぎて、私もやりたいと強く思ったからだ。夢小説は人間に生きる活力を与えてくれるのだ。ただ「ナノ」(これもHP作成サイト)は文章の改行に物凄く厳しいので、そこはこれからも気をつけていきたい。

◇まとめ

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創作熱が薄れた時期は結構あるものの、夢小説が嫌いになったり読まないようにしようと思ったことはなぜか一度もない。読まなくても脳内で随時妄想できてしまうからだと思う。なんならイマジナリーフレンドだって今も存在している。自分が夢小説を今も読み続けていることに何の違和感もないし、これからもずっと読み続けていくんだろうな、と思う。

 

おわり